数年前からニュースやテレビでもよく耳にするようになった「eスポーツ」。皆さんは「eスポーツ」とは何かご存じでしょうか?全くわからないという方もいれば、「なんとなくしか知らないけど、スポーツっていってもテレビゲームじゃないの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
大人達にとってはまだまだよく分からないeスポーツですが、若者や子供たちからの人気は急上昇中。子育てをしている皆さんとしても、eスポーツって何なのか、しっかりと知っておきたいところですよね。今回はそんなeスポーツについて紹介していきます。
eスポーツって何?
まずeスポーツとは、「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略称で、直訳的な意味としては「電子機器を用いたスポーツ」と言ったところでしょうか。つまり、コンピューターゲームやビデオゲームを使ったスポーツ競技ということになります。
スポーツ(競技)というぐらいですから、もちろん一人でおこなうものではなく、複数人のプレイヤーで対戦して勝敗を競います。ここまで聴くと、「やっぱりただのテレビゲームか」と思われるかもしれませんが、こういう感覚を持っていること自体、他の先進国から言わせれば「日本はデジタル社会としては一歩遅れている」のだそうです。
特にアメリカ、韓国や中国ではeスポーツが非常に発展していて、大きい大会では1万人もの観客が見守る中で、プロゲーマー達が競技をすることもあり、その様子はプロスポーツ大会そのものなのだとか。世界の競技人口は約1億人以上と言われていて、現在の世界の人口が77億人だとすると、単純計算で77人に1人の割合ということになりますから、日本で体感しているよりずっとポピュラーであることが分かりますよね。
さらには、2024年のオリンピック、パラリンピックの新種目として、採用が検討されているというのだから驚きです。ここまでくると、なにやらただのテレビゲームではないのかと思わされますよね。
日本でも、「全国高校eスポーツ選手権」というものが数年前から始まり、2019年の大会では222の高校生チームが参加したとのことです。高校生ということもあり、参加には保護者の許可が必要だったり、可能であれば学校から顧問をつけることが求められていたりと、しっかりとしたルールの下でおこなわれています。
この日のためにチームで練習した成果をぶつけるということもあって、高校生と言えどかなり高いレベルの対戦がおこなわれているようです。
eスポーツは仕事になるの?
ソニー生命保険株式会社がおこなった、全国の中高生を対象にした調査(2019年)によると、男子中学生がなりたい職業の第2位が「プロeスポーツプレイヤー」、男子高校生がなりたい職業の第2位が「ゲームクリエイター」だったそうです。
中高生にとっては、テレビゲームやオンラインゲームはとても身近な楽しみであるからこそ、将来もそういう分野に関わりたいと思うのはある意味当たり前ですよね。ですが、いざ自分の子どもが「プロゲーマーになりたい!eスポーツプレイヤーになりたい!」と言い始めたら、少し心配になるのではないでしょうか。
実際に食べていくのは難しい
実際、プロのゲーマーで主要な大会で優勝することができれば1000万円以上の賞金を稼ぐことができたり、企業チームに所属することで収入があったりと、実力があればその分収入も高くなります。ですが当然その何倍もの人達が大会での賞金を逃してしまうだけでなく、チーム契約を切られてしまい職を失います。
子供たちにとっては、楽しいことをしてお金を稼げるなんて夢のまた夢みたい!と感じるかもしれませんが、実際は実力主義の非常に厳しい世界で、それ相応の努力が求められます。
eスポーツへの意識は変わりつつある?
一方で、それでも本気でプロゲーマーを目指す子ども達のために、eスポーツの専門学校や、eスポーツコースが開設される高校もでてきました。日本ではまだeスポーツの知名度が比較的低いため学べる環境も数少ないですが、ここ数年の人気ぶりを考えると、数年後にはそのような学校や環境が何倍にも増える可能性も十分考えられますよね。
今はまだ、現実的な職業として考えられない方が多いのも無理はないですが、近い将来、eスポーツに対する認識は大分変わってくるのではないかと思います。
まとめ
今回は、子ども達や中高生から人気急上昇中の「eスポーツ」について紹介しました。まだまだ日本での認知度が低いため、単純に「テレビゲームの延長」として捉えられがちですが、実際にはオリンピック・パラリンピックの新種目としても検討されているような分野であることや、日本でもプロプレイヤーを目指すための環境が増えつつあることなど知っていただけたかと思います。
認知度が高くなればなるほど、子どもたちもプロゲーマーを自分の将来の夢として考える機会も増えてくることでしょう。まだまだ理解に苦しむと感じる方も多いかもしれませんが、「ただのテレビゲームでしょ」と真っ向から否定するのではなく、まずは子どもの気持ちに寄り添って話を聞いてあげてみることが大切ではないかと思います。