3歳になると、一気に“赤ちゃん”から“お兄ちゃん・お姉ちゃん”ぽくなっていきます。実際に弟や妹が産まれたり、保育園や幼稚園に通い始める子も多いですね。
周りの人間関係が変わり、少しずつ人の気持ちも想像できるようになります。色々なことに興味を持ち、「なんで?」「どうして?」という質問が増えるのも3歳ころ。
知識欲が高まって、いよいよ絵本の世界にどっぷりハマれる年齢です!そこで今回は、元司書の私が3歳児におすすめの絵本をご紹介します。
3歳におすすめの絵本①「どうぞのいす」香山美子
うさぎさんが小さな椅子を作り、木の下に「どうぞのいす」という立て札と一緒に置いておきました。すると、ろばさんがやってきて、どんぐりの入ったかごを椅子の上に置いて、離れた場所で寝てしまいます。
そこに、くまさんがやってきて、「どうぞ」ならば…とどんぐりを全部食べてしまいました。そして後から来る人のために、代わりにハチミツを置いていきます。次に、きつねさん、りすさんが通りがかって…?
動物達の思いやりの連鎖で、椅子の上のものが次々に変化していきます。可愛い絵と、優しい語り口で温かな気持ちになれる本です。最後にようやく目を覚ましたろばさんのセリフに、子ども達は大笑い!
3歳におすすめの絵本②「たまごにいちゃん」あきやま ただし
たまごの殻をかぶっている「たまごにいちゃん」。弟のひよこは、もうお兄ちゃんより大きくなっていますが、「たまごにいちゃん」は平気です。たまごなら、ずっとお母さんに温めてもらえるから!
ところが、あるハプニングで大切な殻にヒビがはいってしまいます。このままでは本当のお兄ちゃんになっちゃう、と不安になる「たまごにいちゃん」ですが…?
いつまでも赤ちゃんでいたい、という子どもの気持ちに寄り添う絵本。でも、成長するってかっこいいよ、というメッセージも込められています。シリーズがたくさんあるので、他のお話もぜひ読んでみてください。
3歳におすすめの絵本③「ラチとらいおん」マレーク・ベロニカ
ラチは、とても弱虫な男の子。犬も、暗い部屋も、友達でさえ怖がります。
ある日、ポケットに入るほど小さなライオンと出会ったラチ。ライオンはラチを勇気づけ、ラチはだんだん強くなっていきます。いじめっ子を懲らしめるまでに成長したラチですが、気がつくとライオンが居なくなっていて…?
50年以上前、ハンガリーから来たロングセラーです。小さいけれど頼もしいライオンは、今も子ども達に大人気!きっと、誰もが臆病な気持ちを隠し持っているからですね。ライオンとお別れするラストは少し切なく、心に残る作品です。
家でも絵本の読み聞かせをしよう
3歳におすすめの絵本をご紹介しました。保育園や幼稚園に通うようになると、「先生が読み聞かせをしてくれるから、家では読まなくていいよね」という気持ちになる人もいるかもしれません。
でも子どもにとっては、園の先生に読んでもらう時と、ママやパパに読んでもらう時では、本の印象が全然違うのです。
「もう知っている話かも」や「先生みたいに上手く読めない」などと気にしなくて良いので、家でも読み聞かせの時間を作ってみてくださいね。