昨年(2021年)8月にスタートした早産児・低体重児の親の会「LOLAHI リトルベビー群馬」。代表の平原早紀さん(大泉町在住)にお話を伺いました。
ご自身の経験から、同じ境遇の家族との交流で、不安や悩みを共感でき、育児に前向きになれる場を作っているとのこと。
現在メンバー数は14名。出入りは自由なので入会金等はなく、必要な時に活用して頂ければとのこと。(対面交流会の時は、講師の方をお呼びしたり、イベントを開催したりするのに、参加費がかかる時もあります。)
コロナ禍での活動は、オンラインでの交流会が中心となっていて、前橋市市民活動支援センター(Mサポ)の登録団体なので、対面で交流会が出来るようになったら、(現在メンバーの多くが中毛地区在住なので)Mサポ(まえばし元気21の3階)の会議室をお借りする予定。ほか、東毛地区でも場所を探して実施していきたいとのことです。
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6年前(2015年5月)、私は双子の男児を出産しました。
産まれた我が子は今にも壊れてしまいそうなくらい小さくて、赤黒い肌をしていました。
なぜならば、まだお腹の中に居なくてはならない月齢だったからです。
突然の出血で受診すると、もう赤ちゃんの頭が見えかかっていて、今すぐにでも産まれてしまう状態でした。まだ妊娠6ヶ月(在胎22週)の時でした。
在胎22週台ですと、産まれてきた時に救命措置をするかどうかを親が判断しなければなりません。当時はまだ生存率も低く、「障がいが残る確率が高い」と医師から説明を受け、頭の中が真っ白になりました。
でもそんな心配をよそにお腹の中の二人は、私のお腹を元気に蹴っていました。「大丈夫だよ!」というメッセージのように思えて、不思議と「この子達なら生きてくれる!」と私は確信し、分娩台へ向かいました。そして痛みよりも生死の不安と恐怖で涙を流しながらの出産でした。
22週6日 。598gと 530gで双子が誕生しました。
救命処置をしてもらいNICUに運ばれるほんの数秒間だけ、顔を見る事ができ、「ありがとう、がんばったね」と声をかけ、見送りました。
小さな身体に沢山の管が繋がれ、必死に生きようとしてくれている我が子たち。「私はなんて事をしてしまったのだろう。」「あの時無理をしたからかなぁ。」「もしあの子たちに何かあったら私のせいだ」と自分を責める事しかできず泣いてばかりいました。
容態がなかなか安定しない二人を主治医と看護師にお願いし、自分だけ家に帰りました。
泣きながら運転し、涙で前が見えなくなることもあり、コンビニの駐車場に車を停め、思いっきり泣いたり仮眠を取らなければならなかったりする生活がしばらく続きました。
やっと家で家族全員が揃い、自分の手で育児する事の幸せを感じられたのは、出産から約1年後の事でした。何気ない日常がとてもありがたく、幸せな事だとこの出産を経て強く感じています。
「この経験を思い出で終わらせたくない」
6年の月日が流れ当時を思い出した時に、悩みや胸の内を話したくても周りには話せない事がたくさんありました。「今一人で涙を流している人の気持ちに当事者なら寄り添えるのではないか。近くにないなら作ってみよう」という想いから2021.8.5「LOKAHIリトルベビー群馬」というサークルを立ち上げました。
なぜ「LOKAHI(ロカヒ)」と名づけたのか。
LOLAHIは、ハワイの言葉で「融合、共感、友愛、絆、調和」という意味があります。
みんなで手を取り合い、思いに寄り添い、愛を持って心と身体が元気でいられますように…
と願いを込めました。
現在はオンライン交流会が中心ですが、暖かくなりコロナも落ち着き始めたら対面交流会や親子で楽しめるイベントも企画したいと思っています。
また活動の一つとしてリトルベビーハンドブック(LBH)という母子手帳と一緒に使う手帳があります。
これを群馬県でも導入してもらいたい、と群馬県に働きかけています。
このハンドブックは、発達の記録だけでなく、早産児に起こりやすい病気や発達、特徴の説明ページや先輩ママや大きくなったリトルベビー達の励ましの言葉、県内の育児相談窓口や福祉関連やサークル情報が記載され、未来に不安ばかり想像してしまうご家族に、必要な情報と気持ちに寄り添う素敵な手帳です。他県でも導入され配布されているところがあります。
ご家族の心と身体の健康が保たれ、県や地域が支え合い、不安が和らぐような子育て環境づくりが必要だと私は思います。
その一つとして、群馬で産まれたリトルベビーのご家族の勇気と励みになるお守りとして、このハンドブックをプレゼントできたら嬉しく思います。
注)前橋市には、未熟児親の会「プリミークラブ」がありますが、市内在住者に限定されています。プリミークラブご利用希望の方は前橋市子育て支援課母子健康係(027-220-5704)へお問い合わせ下さい。