絵本は子ども向けに書かれたもの、と思っていませんか?色々な経験を積んだ大人だからこそ楽しめたり、感動したりする絵本は沢山あります!
小説や漫画に比べて、少ない絵と言葉でつづられた絵本は、短い時間で読めるので忙しい大人にぴったり。子どもに読み聞かせをしながら、一緒に楽しむのも良いですね。
今回は元司書の私が、大人にぜひ読んで欲しいおすすめの絵本をご紹介します。
大人におすすめの絵本①「つみきのいえ」平田研也
世界中の映画祭で受賞した短編アニメーション「つみきのいえ」の絵本版。監督の加藤久仁生が絵を、脚本の平田研也が文を担当しています。
ほとんどの建物が水没した土地で、1人で暮らすおじいさん。ある日、おじいさんは道具を下の階に落としてしまい、潜って取りに行きます。水位があがる度に、上へ上へと積み上げてきた家には、おじいさんの思い出が詰まっていました。
家が水没する悲しいお話……ではなく、おじいさんが家族を大切に思い、幸せに暮らしていたことが伝わってきて、温かな気持ちになる絵本です。大人になるほど、自分の人生と重なって泣いてしまうかも。
大人におすすめの絵本②「あさになったので まどをあけますよ」荒井良二
世界中のあちこちで、子どもたちが窓を開けます。窓から見えるのは、いつもと変わらない風景……だからここが好き、と子どもたちは言います。
何気ない日々の繰り返しの中にこそ、生きる喜びがあることを教えてくれます。文章は短く、ゆっくりと絵を鑑賞する作品です。
まぶしいほど明るい荒井さんの絵を見ていると、沈んでいた気持ちも癒されます。いつもと同じ朝が来るだけで幸せ、なんですね。
大人におすすめの絵本③「もしもせかいがたべものでできていたら」カール・ワーナー
もしも世界がすべて黄色だったら……など、色をテーマに作られた世界の写真絵本。建物も植物もすべて本物の食材でできていて、その美しさにうっとりしてしまいます。ぜひ、お気に入りの世界を見つけてください。
最後に各ページで使われていた食材の一覧が載っていますが、日本では馴染みのないものもあり興味深いです。作者は、ロンドンを拠点に広告業界で活躍している写真家。使用した食材は、スタッフで食べるのがルールだそうですよ。
絵本を読んでリラックス
大人におすすめの絵本をご紹介しました。普段は仕事や家事で忙しい人も、たまには1人でゆっくり絵本を読んでみませんか?美しい絵や言葉で、きっとリラックスできます!
今回は近年に発売されたものを紹介しましたが、子どもの頃に読んだ絵本をもう一度読んでみるのもおすすめです。子どもの時とは違った視点で読むことで、新しい魅力を発見できると思いますよ。